相続が発生したとき、「相続税の申告はどうやってすればいいの?」「税務署に行けば教えてもらえる?」「自分で申告できる?」と疑問に思われる方は少なくありません。 相続税の申告は、所得税の確定申告と比べても計算や必要書類が複雑 …

相続が発生したとき、「相続税の申告はどうやってすればいいの?」「税務署に行けば教えてもらえる?」「自分で申告できる?」と疑問に思われる方は少なくありません。
相続税の申告は、所得税の確定申告と比べても計算や必要書類が複雑です。
特に、土地や建物などの不動産がある場合には、財産の評価方法や特例適用の可否によって納める相続税額が大きく変わることがあります。
この記事では、相続税の申告方法について、申告の流れや必要書類、自分で申告する場合の注意点、税理士に依頼するメリットまで分かりやすく解説します。
相続税の申告が必要な場合、原則として財産を取得した相続人が申告を行います。
ただし、相続人ごとに別々の申告書を提出するだけではなく、複数の相続人の申告書をまとめて提出することもできます。
まず重要なのは、そもそも「相続税の申告が必要なのか」を確認することです。
相続税には基礎控除があり、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
を超える遺産がある場合、原則として相続税の申告が必要になります。
ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを利用することで相続税がゼロになる場合でも、特例を適用するために申告が必要となるケースがあります。
そのため、「相続税がゼロだから申告しなくてもいい」とは限りません。
相続税の申告期限は、原則として被相続人が亡くなったことを知った日の翌日 (被相続人が亡くなられた日)から10か月以内です。
例えば、1月10日に亡くなった場合、原則として11月10日が申告期限となります。
申告期限が土曜日・日曜日・祝日などにあたる場合は、原則としてその翌日が期限です。
また、相続税の申告だけでなく、納税も原則としてこの期限までに行う必要があります。
期限までに申告・納税をしなかった場合、加算税や延滞税が発生する可能性があります。
そのため、相続が発生したら、できるだけ早い段階から準備を始めることが重要です。
相続税の申告方法には、大きく分けて次の方法があります。
現在は相続税についてもe-Taxによる電子申告が利用できます。
相続税の申告書は、e-Taxソフトまたは対応する民間の税務会計ソフトなどを利用して作成・送信します。
なお、所得税の確定申告で利用するWEBサイトの「確定申告書等作成コーナー」では、相続税の申告書を作成することはできません。
申告書を紙で作成し、税務署へ提出する方法もあります。
郵送や税務署の時間外収受箱への投函によって提出することもできます。
申告書の提出先は、相続人の住所地ではありません。
原則として、被相続人が亡くなった時点の住所地を管轄する税務署です。
相続税申告の基本的な流れや必要書類は今までのコラムでもご紹介してまいりましたが、改めてご説明させていただきます。
相続税の申告は、一般的に次のような流れで進めます。
まず、誰が相続人になるのかを確認します。
戸籍謄本などを取得し、法定相続人を確定します。
預貯金、不動産、株式、生命保険など、被相続人が所有していた財産を調査します。
一方で、借入金や未払金などの債務、葬式費用など、相続財産から控除できるものについても確認します。
相続税では、財産を相続税評価額に換算します。
特に注意したいのが土地です。
土地は単純に「現在いくらで売れるか」という時価で計算するわけではありません。
路線価方式や倍率方式など、財産の種類に応じた方法で評価します。
また、土地の形状や利用状況などによって評価額を減額できる場合もあります。
誰がどの財産を取得するのかを決めます。
不動産が多い相続では、遺産分割の方法によって各相続人の相続税額が変わることがあります。
さらに、小規模宅地等の特例など、誰がどの財産を取得するかによって適用できる特例が変わる場合もあるため注意が必要です。
相続財産の評価額をもとに、基礎控除や各種控除・特例などを考慮して相続税を計算します。
必要な申告書や添付書類を準備し、期限までに税務署へ提出します。
現在はe-Taxによる電子申告も利用できます。
相続税が発生する場合には、申告期限までに納税します。
必要書類は相続の内容によって異なりますが、代表的なものとして以下があります。
所有している財産によって必要書類は違います。
例えば、土地を所有している方、賃貸マンションを所有している方、自社株を所有している方などでは、必要となる資料や評価方法も大きく異なります。
相続税の申告を税理士に依頼せず、自分で行うことも可能です。
国税庁では相続税申告書の様式や記載例なども公開されています。
ただし、相続税の申告は、単純に財産を合計して税率を掛ければ終わるものではありません。
特に難しいのが土地の評価と各種特例の適用判断です。
例えば、同じ土地でも、土地の形状や利用状況などを適切に確認することで評価額が変わることがあります。
「相続税をできるだけ抑えたい」と考えるのであれば、申告書を作ることだけではなく、相続財産を正しく評価し、利用できる制度を漏れなく検討することが重要です。
相続税の申告は税理士に依頼することもできます。
税理士に依頼する主なメリットは次のとおりです。
相続税申告では、不動産の評価が税額を大きく左右することがあります。
特に土地については、専門的な知識が必要となるケースがあります。
配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例など、相続税にはさまざまな制度があります。
どの制度を利用できるのか、また、どのように遺産を分ければ制度を利用できるのかを検討することが重要です。
相続税申告では、多くの資料を集める必要があります。
税理士に依頼することで、必要な資料を整理しながら申告まで進めることができます。
相続税申告では、申告書を提出すれば終わりとは限りません。
後日、税務署から申告内容について確認を受ける可能性もあります。
そのため、最初から根拠のある評価・計算を行い、適切な申告書を作成しておくことが大切です。
当事務所では、税理士に相続税申告を依頼する大きなメリットの一つは、目の前の相続税だけでなく、二次相続や相続後の資産売却まで見据えたアドバイスを受けられる点にあると考えています。
ご夫婦は年齢が近いことも多く、一方の相続の後、それほど長い期間を置かずにもう一方の相続が発生することもあります。
一般に、ご夫婦のうち最初に発生する相続を「一次相続」、その後に発生する相続を「二次相続」といいます。
例えば、一次相続では「配偶者の税額軽減」を利用することで、相続税が0円になるケースも少なくありません。
しかし、一次相続の税額だけを考えて配偶者が多くの財産を取得すると、その後の二次相続で相続税の負担が大きくなる場合があります。
そのため、一次相続では、二次相続まで含めた税負担を考えながら遺産分割を検討することが重要です。
実際に当事務所へご依頼いただく方の中にも、「配偶者の税額軽減を使えば今回の相続税がかからないことは分かっているものの、二次相続まで考えた場合に、どのように遺産を分けるのがよいのか分からないため、専門家のアドバイスを受けたい」とご相談くださる方が多くいらっしゃいます。
また、相続によって取得した土地や株式などを売却した場合には、相続税とは別に譲渡所得税がかかることがあります。
一方で、相続した財産を一定期間内に売却した場合には、納付した相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」など、相続後の売却に関係する税制上の特例が設けられています。
こうした制度まで考慮して、相続時の遺産分割やその後の資産売却についてアドバイスを受けられることも、相続に詳しい税理士へ依頼するメリットの一つです。
相続税の申告期限は10か月あります。
「10か月もある」と思われるかもしれませんが、実際には相続人の確認、財産調査、資料収集、不動産評価、遺産分割協議、申告書作成など、多くの作業が必要になります。
特に、相続財産に不動産が含まれている場合や、相続人同士で遺産分割について話し合う必要がある場合には、時間がかかることがあります。
そのため、相続税がかかるかもしれないと思った段階で、早めに税理士へ相談することをおすすめします。
相続税の申告は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内に行います。
申告方法にはe-Taxによる電子申告と書面による申告があり、提出先は原則として被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
ただし、相続税申告で本当に重要なのは「申告書を提出すること」だけではありません。
相続財産を正しく評価し、利用できる控除や特例を適切に適用したうえで、正しい相続税額を計算することが重要です。
特に土地や不動産をお持ちのご家庭では、評価方法によって相続税額が大きく変わることもあります。
「相続税がかかるか分からない」「自分で申告できるか不安」「できるだけ相続税を抑えたい」という方は、早めに相続税に詳しい税理士へ相談してみるとよいでしょう。